ひとは替えがきかない。まさにその通り。
ひと 著:小野寺史宜
GWの空き時間を使い、読み終わりました。先が気になって読み止めることができませんでした、という感じではないが、時間があるときにゆっくり読むからこそ、深く楽しめたと思っている。最近はビジネス本みたいなものを読むことが多く、小説と離れた生活を送っていたが、久しぶりに小説を読むと、また楽しい。でも小説は読まなければいけないのではなく読みたいもので、まずは読まなければならないものを読む。
運命を信じるか、自信がある人と何事にも謙虚な人のどちらであるべきか、など自分が最近ふと思うことについて、改めて考えさせられた。主人公の聖輔は、周りのことばかり気にしていて、自分は常に二の次、初めはただの偽善者でいい奴止まりな感じがするが、読んでいくうちにこの聖輔のような友達が欲しくなってくる。でも自分がそうなりたいかというとそうでもなく、やはり自分に自信を持ち、自分自身を優先して生活を進めていける人になりたい。
あとは、青葉さんが本当に好き。青葉さんの自分の価値観がしっかりとしていて、自然に相手を褒められる感じ。大好きな宮崎あおいに演じてもらいたい。歳はかなり違うが…。
小説は新しい価値観を提供してくれる。聖輔のような人がいれば、高田みたいな人によっては優しくない人と見られてしまう人もいる。そういうことを知ったり、気づかせてくれるのが小説だね。