久しぶりに小説を読んだ。『騙し絵の牙』
面白かった。普通の会社員の話だが、疾走感があり読み止めることができなかった。あらすじはどこにでも載っているだろう。題名の由来は最後にわかるので、そこまで我慢してください(笑)
そもそも読み始めた理由として、作者が大泉洋をイメージして主人公を描いているというキャッチーな話題を聞いたからである。まあ上手いマーケティングだななんて思ったし、騙し絵の牙だけに騙された気持ちで読み始めました。
読み始めると、神様のカルテを映画公開後に読んだ時と同じで、登場人物の風貌もそうだが、顔まではっきりとイメージして読むことができたので、それも助けてか、かなり読み入ってしまった。
読んでいて面白いと思ったのは、作者が雑誌を紙にこだわっているシーンで、「あれ、俺、Kindleで読んでるな」なんて思って一人で笑ってた。
出版業界という自分とはかけ離れた世界の話で、かなりいろいろなことを知れた気がする。こうして読んでいる小説自体も、編集者によってちょっとずつ面白くされていっているわけで、芥川賞とかの賞を取ると、作者ばかりが目につくが、そこには支えている編集者がいることを忘れてはならない。
やっぱり小説は面白いね。最後にオチもあったし、あと1割くらいページ数が残っているのにも関わらず、プロローグに入った時は、え?なんて思ったけど、最後まで読んでよかった。
最近、小説読んでないななんて思っている方や、出版業界なんて興味ないという方も、読書好きであれば一度読んでみる価値ありです。